「ケアすることでケアされる」(特別養護老人ホーム八色園 林 多恵子)
2020年3月2日 更新
よく、研修生には、「ユニットケアは良いということは分かるが職員に伝わらない」、「大変になるからやめて欲しいと言われて進まない」と聞きます。私たち八色園でも、同じような話をよく耳にします。何か新しいことを始めようとする時は必ず、抵抗勢力が生まれます。しかし、よく考えてみると、重要なことでなければ、誰も抵抗しません。
ユニットリーダー研修では、どうしようもならない思いや物事をグループワーク中心で本音で討議することにより、目的が問い直され、何をすればよいかがクリアになります。また、実地研修施設での体験により、気づきが生まれ方向性が見え、課題がより明確になることで、ケアの質のレベルやクオリティが上がります。
そんな研修に参加しているうちに、自分自身が変わり、抵抗勢力が味方になることも、、。
今でも迷ったり悩んだり、体当たりで壁にぶつかってしまうこともあります。そんな中でも、誰しも、どこかで本音を言える場がないと精神的に疲弊してしまいます。前を向いて進むだけでなく、大変な時こそ、いったん立ち止まり、周りを見て自分自身を見つめ直す。自分を通して、入居者のことを思い、どんなことをすれば笑顔を見せてくれるのか、と思いを馳せる。その機会がユニットリーダー研修です。研修を通し入居者のことをケアすることで、自分自身もケアされていることに気づかされるのではないでしょうか。
「選択の重要性」 (特別養護老人ホームはだの松寿苑 久保谷 和明)
2020年2月3日 更新
以前、NHK「白熱教室」の放送で、アイエンガー教授が「選択の重要性について」の講義をしているのを目にしました。内容は、「人間は普段から常に選択をして生きている。無意識に選択していることを含めると1日に200~300回行っている。その選択の回数が生活の行動範囲や活力に比例する」など。を学びました。
ユニットケア指針(第33条)は、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮すると掲げられています。私たち施設職員は、契約時に本人や家族に今までの暮らし方を聞き取っています。そこで重要なのが、意向や好みをいかに多く聞き取り、これからの暮らしに反映させて毎日飲み物の種類や温度、量など、入居者が選択できるような会話をすることにしています。
ユニットリーダー研修の受け入れ施設を行って5年が経過しました。実習生からは「介護度は重いけれど入居者が生き生きしている」と話されることが多くなりました。その話を聞く度に、はだの松寿苑の入居者は、こだわりを持って暮らせているなと温かい気持ちになります。これからも、入居者のこだわりを増やし生活の質が上がるように取り組んで行きたいと考えています。
「実習生とともに成長」(特別養護老人ホームはだの松寿苑 石塚 彩友美)
2020年2月3日 更新
管理栄養士として新卒で入職し、2年目になりました。私は当初、ユニットケアというものをあまりよく理解していなかったので【食に携わる職員のためのユニットケア研修】に参加したところ「食事は頑張って食べるものではない」といった考え方に心を動かされたことを覚えています。今、実際に職員として働き、ユニットケアを行うことで入居者にもたらす良い影響に気づくことは、食事ケアに限らず多々あります。
当施設は生活相談員、ケアマネージャー、看護師、機能訓練士、管理栄養士等の多職種の関わり方について、「多職種連携」という内容で実習生にお伝えし、疑問・悩みを聞く機会を設けています。逆に実習生を受け入れる立場である私たちにも、メリットがあります。多い時には1回6名の実習生を受け入れるため、他施設の取り組み内容の情報を共有する場ともなり、たくさんの施設の良いところを自施設のケアに還元することもできます。私自身、まだ特養の職員としての経験も、管理栄養士としての経験も浅いので、このような情報共有の場があることを非常にありがたく思っています。
これからも、ユニットケアの良さを広めていきながら、実習生とともに自身も成長し、入居者様に「ここに入居してよかった」と思っていただけるよう、よりよいケアを提供していけたらと思います。