「ユニットケアほど実学的なものはない」(特別養護老人ホーム天神の杜 五十棲 恒治)
2017年4月3日 更新
平成15年に開設してから約14年間を振り返り、ユニットケアほど実学的なものはないと感じています。
入居者様の生活支援は、料理・洗濯・掃除・整理整頓など生活面のプラスになります。観葉植物を含む設えは、自宅の生活空間の充実・向上に繋がります。入居者様との会話や外出は、地域の歴史・沿革・社会資源の学びになり、休日の行動や楽しみに幅を増します。看取りは、死生観や人間観などの向上や人生設計や人生を考える機会にもなります。入居者様を深く知ることは、物事や真理を追究・探究する力を養います。その他にも数多くあります。
ユニットケアは、生活力や人間力を含め総合力の向上に繋がる大変実学的なものです。
これからも一年を通じて、入居者様と同様に職員を大切にして、入居者様や職員の笑顔が溢れ、職員のやりがいや充実感に満ちた施設創りを職員と共に取り組んでいきますので、皆さんも明るく前向きに頑張っていただきたいと思います。
「終末期の面会で家族が感じたこと」(特別養護老人ホームケアステーション藤が原 矢野倉栄)
2017年4月3日 更新
先日、95歳でIさんが永眠されました。その娘さんから、「母は入居する前、一人暮らしで、誰とも話すことなく、鬱状態となっていました。一人での生活が困難となり、施設にお願いした訳です。面会に行っても、はじめのうちは、不安気な表情で笑うことはなかったのですが、職員の方の親切な対応もあって、リビングで食事をとり、行事にも参加し、母の「笑み」が、戻っていました。最後の数か月は、居室で生活するようになったようですが、私が面会に行くと、いつもドアが少し開いていました。母に尋ねると、『話し声や歌声が聞こえるから。』とのこと、寂しがり屋の母には良い環境でした。それから最後の時も、母が微笑んで寝ているように思えました。母は幸せでした。」との、お話がありました。
個室に居ながら、生活音が聞こえ、誰かがいることを感じ、必要な時には職員が訪ねてくれる安心感。終末期こそ、ユニットケアのシステムに感謝する次第です。
「ユニットケアの大切さと難しさ」(特別養護老人ホームフローラりんくる 逸見かをり)
2017年3月15日 更新
ユニットケアに出会ったことによって介護に対するイメージが変わりました。
高齢者の尊厳ある生活や個人のプライバシーが守られることはあたりまえのことと思っていましたが、ユニットケアを学び、一人ひとりの個性と生活リズムを尊重した「個別ケア」を行っていくことの大切さと難しさを学びました。「自分が入りたい施設」「ここで過ごせてよかった」と思える場所でありたいとの願いから「今までの暮らしの継続」ができる施設を目指します。これらを継続していくには、他職種連携は大切と考えます。また、外からの透明性も必要です。人は自由であり、何処にいても生活を感じ「ユニットケア」を意識し、目指していくことこそ理念そのものです。どのような状態であってもその人らしく過ごすことが大切です。職員が入居者様、ご家族に寄り添いながら歩んでいくよう常に努力していきたい。