ユニットケア研修の魅力(介護老人福祉施設花友にしこうじ 加藤 弓子)
2020年7月1日 更新
皆さん、こんにちは。前年度末より新型コロナ感染症の拡大に伴い、緊急事態宣言が出され、実地研修が行えていない状況です。そんな状態だからこそ「ユニットケア研修」の大切さを改めて感じることができました。
どんな施設にも課題があり、当然実地研修施設にも似たような課題があります。施設から来られた方にはどなたにも、入居者に「どのように寄り添えばいいのか」、職員には「どのようにケアの統一をすればいいのか」、等々共に真剣に考えながら意見交換をしています。中でも私がこの研修を受講して感じたことは、自分の施設でできていることと、できていないことを整理することができたことです。そして、実際のケアの様子を見ることができるということがこの研修の強みであると思います。座学で理論をいろいろ述べられても、すぐ「理想だけ言われても現実は無理なんだ」とか「うちの職員はそんなことわかってくれない」など、できない理由が頭の中から飛び出てきてしまうものですが、実際にユニットケアを目指して様々な困難に前向きに取り組んでいるリーダーの方々の生の声に、大変大きなパワーをもらうことができると感じています。それこそがこの「リーダー研修」の強みであると思います。
ユニットケアを通して自己成長と人材育成のヒントを学ぶ(特別養護老人ホームかわいの家 舛谷 淳子)
2020年7月1日 更新
平成22年、介護職員として多くの経験を積んだ頃は、自分自身の仕事のあり方を自問自答し、自己嫌悪するという毎日を送っていました。
そんなある日、自宅近くに新設の介護施設が出来ることを知り、新しい自分を見つめ直す良いチャンスと思い応募し、オープニングスタッフとして採用されました。
当初は、忙しいことを言い訳に自分自身でも積極的に学ぶことは無く、ユニットケアに関しても全くの無知でした。そのような中、日々のケアは職員にも恵まれ、充実した楽しい毎日でした。
ユニットリーダーとして平成24年にユニットリーダー研修に参加した際は、100%の自信を持って、自分自身のユニットの写真を持参しました。しかし、その自信は100から0となり肩を落しながら帰った記憶が今も鮮明です。それは実習先での研修でも同じでした。今では穴があったら入りたい程の恥ずかしさですが、自分自身が以前自問自答し、自己嫌悪に陥っていた時のケアをやっていたことに気づいたのです。「好みは人それぞれ、この熱の冷めないうちに」と施設内研修を実施し、委員会を立ち上げましたが、やはり無知な私に継続の力は無く、なかなかうまくいきませんでした。
平成25年度になり、同じ志を持った仲間も増え、かわいの家でのユニットケアが少しずつ動き始めました。失敗を繰り返しながらも平成30年に実地研修施設となり、実習生を受け入れ始めました。そして今では、かわいの家のユニットケアを学んで頂きながらも、私達も実習生の意見や質問を職員間で共有し、共に成長させていただいています。
「皆の意識が変わったこと」(介護老人保健施設ふかわ・くにくさ 米浦幸介)
2020年2月3日 更新
平成16年に開設し、「1人ひとりに合ったケアがしたい」「ケアを統一していこう」そのように考えながら、情報共有ができていなかったり、職員本位のスケジュールになっている等ユニット型の施設でも、時間が決まった一斉のケアをしていました。
施設全体でユニットケアへの理解を深めようと勉強会を行ったことで、徐々に考え方が変わっていきました。今ではその人のことを知る、理解するという考え方ができるようになり、どんな意向やこだわりがあるのか、どんな風に暮らしたいのかを知ろうとするようになりました。何ができて、どんなケアをしてくのか、知り得た情報を24Hシートへ書き込み、根拠をもち1人ひとりのケアを考えることもできるようになり、個別ケアへ向かっています。
1つ変われば他のことも変わります。なじみの関係を作っていくことで、「どこも一緒」「生活感がない」と言われたユニットや居室は入居者、ご家族の協力もあり、それぞれの個性がみられるようになりました。1つ1つの課題をクリアし、ユニットが変わり成果が見えていくことで、職員自身がユニットケアについて前向きに考えていけるようになりました。
まだ課題も多い中、「できない」と言うだけで何も変えないのではなく、「ここまでならできる」と、今の自分達が入居者1人ひとりのことを考え、暮らしの継続に向けて可能性を探れるようになれたのはユニットケアに取り組んでいったからだと思います。