「終末期の面会で家族が感じたこと」(特別養護老人ホームケアステーション藤が原 矢野倉栄)

2017年4月3日 更新施設長

先日、95歳でIさんが永眠されました。その娘さんから、「母は入居する前、一人暮らしで、誰とも話すことなく、鬱状態となっていました。一人での生活が困難となり、施設にお願いした訳です。面会に行っても、はじめのうちは、不安気な表情で笑うことはなかったのですが、職員の方の親切な対応もあって、リビングで食事をとり、行事にも参加し、母の「笑み」が、戻っていました。最後の数か月は、居室で生活するようになったようですが、私が面会に行くと、いつもドアが少し開いていました。母に尋ねると、『話し声や歌声が聞こえるから。』とのこと、寂しがり屋の母には良い環境でした。それから最後の時も、母が微笑んで寝ているように思えました。母は幸せでした。」との、お話がありました。

個室に居ながら、生活音が聞こえ、誰かがいることを感じ、必要な時には職員が訪ねてくれる安心感。終末期こそ、ユニットケアのシステムに感謝する次第です。

「ユニットケアの大切さと難しさ」(特別養護老人ホームフローラりんくる  逸見かをり)

2017年3月15日 更新施設長

ユニットケアに出会ったことによって介護に対するイメージが変わりました。

高齢者の尊厳ある生活や個人のプライバシーが守られることはあたりまえのことと思っていましたが、ユニットケアを学び、一人ひとりの個性と生活リズムを尊重した「個別ケア」を行っていくことの大切さと難しさを学びました。「自分が入りたい施設」「ここで過ごせてよかった」と思える場所でありたいとの願いから「今までの暮らしの継続」ができる施設を目指します。これらを継続していくには、他職種連携は大切と考えます。また、外からの透明性も必要です。人は自由であり、何処にいても生活を感じ「ユニットケア」を意識し、目指していくことこそ理念そのものです。どのような状態であってもその人らしく過ごすことが大切です。職員が入居者様、ご家族に寄り添いながら歩んでいくよう常に努力していきたい。

「人生最後の誕生日」(特別養護老人ホームくぬぎ苑 三木康史)

2017年3月15日 更新施設長

著者理事長・施設長 三木 康史   (社会福祉法人櫟会 特別養護老人ホームくぬぎ苑)

入居者Sさんの長男は大阪在住で仕事が忙しく、なかなか帰福できない。次男は癌の手術後で、当面外出できない状況であった。そんな兄弟が8月頃電話で、「おふくろも高齢だし、来年の3月の誕生日には、家族皆で集まってお祝いしよう。3月頃だったらお互い大丈夫だろう」、そう約束を交わした。

しかし2か月後の10月、嘱託医から「今月一杯命がもつかどうか」、看取り期に入ったことを告げられた。

看取りがスタートし、だんだん食事が入らなくなったSさんに対しユニットの職員は、本人の大好きな麺類や炭酸の飲み物を家族にかわって、食べたいときに食べたいだけ、飲みたいときに飲みたいだけ提供した。

そして医者も驚くようなことが起きた。1~2週間の命と言われてから約5ヵ月、なんとSさんの誕生日を家族皆でお祝いすることができたのだ。私はその時確信した。これは、医療を超えたユニットケアが起こした奇跡だと。

 

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