「介護」から「くらしの支援」へ(特別養護老人ホームみすず四恩の家 若林 祐和)

2022年11月1日 更新

20歳から介護に携わり今年22年目、リーダーになり約10年の介護職員です。
「22年前」と聞くとわかる方も多いと思いますが「介護保険制度」が創設された年です。ただ自分が入職した頃はまだそこまで大きく捉えられていなく、それまでの「措置制度」が当たり前の考え方をされていた時代です。高齢者施設で働く職員も排泄介助、入浴介助、食事介助を主として考え動き、それが「介護」なんだと感じていました。
それから介護保険制度も何度も改正されながら20年以上が経ち、「措置制度」から「契約制度」へ当たり前に移り変わっています。そして介護から予防支援等の在宅サービスが充実し、それに合わせて施設サービスも「介護」という言葉があまり使われず「くらしの支援」という言葉に置き換えられてきています。
ユニットケアを知り学ぶ中で、自分が一番印象に残り今も職員に最初に伝えていることは「視点」です。介護=管理と捉えてしまうことが多く食事量の管理、排泄管理ととても大事な仕事ではありますがどうしてもそこだけに目が行きがちになってしまうことが多くなります。その視点を少しずらしケアと業務の違い、そして食事や排泄も1日の暮らしの一部であることを職員さんに伝えています。遊園地に行き最初にトイレを探す人はいません。入居者の「くらし」も同じだと思います。朝、目が覚めて「今日は何をしよう」「どこへ行こう」と一日の始まりをわくわくしながら考えます。その入居者の想いをどう汲み取り考えどこに携わりどう支援していくかがケアだと思います。
まだまだ根付いていない部分も多いですがこの22年で介護保険制度と同じように自分の周りも、自分自身も少しずつですが間違いなく変化はあります。
数年前にある施設長に「風土を変えるのはなにより大変だよ」と言われました。それを身に沁みながら悪戦苦闘していますが諦めずに少しずつ「くらしの支援」を伝えていき、その楽しさを伝えていければと思っています。

過去から未来へ(特別養護老人ホーム灯光園 松下 由香里)

2022年10月3日 更新

今年の4月、6年ぶりに特養の相談員に戻ってきました。同時に、ユニットケア研修実地研修の受入担当となり、私達の施設がどのようにユニットケアに進んでいったのかを振り返り、今後の私たちの進むべき方向について考えました。
以前の施設は昭和51年に建てられたもので、長く続く廊下に4人部屋が並び、ベッドの間はカーテンで仕切られているだけ、ほとんどの方が布おむつを使用しベッド上で食事を摂っていました。トイレは女性用が4つ、男子用が2つしかなく、日課は職員の業務に合わせて決まっておりトイレに行く時間まで決められていました。当時の私は業務をこなすことで精一杯で「これでいいのか?」と疑問に思うことも「もっとこんな風にしたい」と考える余裕もありませんでした。そんな中、お風呂をヒノキのお風呂に変え、入浴介助もマンツーマン対応となりました。その後、施設の建て替えの話が本格化したタイミングで長い廊下を3つに区切り、職員を固定化した【ユニットもどき】が完成しました。職員みんなでユニットケアに近づけるように設えなど試行錯誤しましたが、その頃はまだ入居者本人の「暮らしの継続」や「本人の望む暮らし」はできていなかったように思います。
平成19年、新しい施設ができました。そこから研修や話し合いを重ね、入居者お一人お一人の生活習慣や好みを尊重し、心身の状態に合わせたケアができるようになりました。
今年の6月には、コロナ禍で延期となっていたリーダー研修実地研修の受け入れを再開し、研修生からたくさんの意見をいただくことで、改めて自分たちの行っているケアを振り返る良い刺激となりました。今後も研修生の受け入れを行いながら共に学びあい、高めあい、入居者の皆さんがご自分の思い通りに暮らすことができる、生活の継続を支援していきたいと思います。

コロナ禍3年! 改めて思うこと!(特別養護老人ホーム賀宝の里 白松苑  弘中 庸介)

2022年10月3日 更新

コロナ禍になり、外出して友達に会ったり、離れて暮らしている家族に会ったりと、以前は普通に行っていたそういった機会にハードルを感じざる得なくなりました。もちろん、施設に暮らしている入居者にも影響はあるわけで、感染状況により面会控えや面会自体が禁止になったり、面会できたとしてもテレビ電話や窓越しでの対応となったりと、不自由と寂しさを感じるような形に変化していきました。
私たち施設の職員は、家族と満足に面会が出来なくなった入居者をそばで見てきました。面会によって入居者が家族からもらっている元気は、決して職員では補えないほど大きなものだということを改めて感じました。
とはいえ、そこで無力さを感じることもないと思っています。家族にしかできないことがあるように、私たちにしかできないことがきっとあると確信しているからです。
私たち職員は毎日のように入居者と接し、冗談を言って笑い合ったり、窓から見える景色を見て一緒に季節の移ろいを感じたり、時にはちょっとしたケンカもしたり・・・と、いつも寄添っています。そんな何気ない日常がが普通の暮らしであり、最も大切ものではないかと思います。
私たちは、入居者の家族にはなれませんが、介護を受ける側と提供する側というだけの関係でなく、時には家族の代りになり、時には人生の先輩として教えを請い、時には仲間のようにふれあう、そんな関係性を続けていきたいと思っています。

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