「尊厳のある生活」を大切に(特別養護老人ホームやすらぎ荘 小林美奈子)
2020年1月6日 更新
ユニットケアをこれから取り入れていく施設にとって「始めたけれど上手くいかない・・・」など皆さんは様々な悩みを抱え日々仕事をされているのではないでしょうか。
ユニットケア研修では、ユニットケアとはどういうものなのか、実現するためには何をどう取り組んでいったら良いのかという具体的な手法を学ぶことができます。私がやすらぎ荘に入職した時には、既にユニットケアが実現されていましたが、当時の私は「ユニットケアとは?」と聞かれても「ユニットケアを行っている施設」という漠然としたものしかありませんでした。ユニットケア研修に参加させてもらってからは、尊厳の大切さや施設理念の意義等を深く理解することができ、現在の個別ケアへと結びついている事を実感しています。また、他の施設で働く方々と意見を交わし、悩みや問題点を共有しあえたこと、講師の方からアドバイスをもらえたことは、チームケアに活かされており、自分自身の活力になっています。
課題は常に出てくるとおもいますが、入居者の皆さんに自分らしく暮らしていただけるよう、一人ひとりの尊厳を大切にサポートしていきたいと思います。大変意義のある研修ですので、同じ悩みや目標を持つ沢山の仲間に是非この研修に参加していただきたいと思います。
「ユニットケアに出会ってから・・・」(特別養護老人ホーム神の園 吉﨑麻衣)
2019年12月2日 更新
「今日も来てくれたん?いやぁ嬉しいわ~」このような言葉は従来型で働いていた頃の私は残念ながら聞いたことがありませんでした。今思えばたくさんの入居者にたくさんの職員、人が入れ替わり立ち代わりするのですから、覚えられてなくて当然ですよね。でも不思議なことに当時の私は「認知症だから仕方ない。すぐに忘れるんだから。何回言っても解るわけがない…」と、どこかで諦めており、人として正面から関わらず、機械的に仕事をしていたことを思い出します。でもそれが社会人になって初めて働きだした私には普通だと思っていました。「よく動き、効率よく仕事が、できる人が有能な職員である」という考えをもっていました。
縁あって神の園に就職することとなり、そこでユニットケアに出会いました。「関わり方一つで入居者が笑顔で同じ時間を共有できるんだ!!こんな簡単なことなのに…」と考え方が180度変わりました。いつもの限られた入居者に、いつもの職員というだけで入居者に顔を覚えてもらえ、名前で呼んでもらえることができるのは、認知症の方であっても無くても馴染みの関係ができているからなんだと思いました。
入居者だけでなく職員間でも同じ方向を向いて一丸となり、チーム力も上がり「入居者のためにどうすればいいか?」と一人の人として真摯に向き合えているのは、ユニットケアだからこそと感じています。関わりが深いからこそ、入居者の求めているニーズを汲み取り笑顔を引き出せることが可能な点もユニットケアの素敵な一面だと仕事を通して感じています。笑顔で楽しく仕事ができる今に感謝すると共に、この職業に誇りを持ち、これからも入居者ために日々個別ケアに取り組んでいきたいと思います。
「根拠を持ってサポートできること」(特別養護老人ホームケアステーション藤が原 秋葉達郎)
2019年11月1日 更新
「なんだかここ最近、母が以前の母のようなんです。前向きな母の姿がまた見られてよかった」入居して何年も経った入居者の娘様から頂いた言葉です。当施設は、開設して今年で8年が過ぎました。開設時からユニットケアを推進し取り組んでいましたが、ユニットケアの経験者はほとんどいなく、職員が基準にしていた考え方は今までの自分の経験や考え方に沿ったもので、今思うと、職員が同じ方向に向かって進んではいなかったように思います。その結果、ケアが画一的なものになり、入居者一人一人と向き合うことができていなかったように思います。
ユニットケアの魅力は、入居者一人一人がその人らしく過ごせるための理論を知り、実践することで、根拠を持って入居者の生活をサポートできることにあると思います。当施設でもユニットケアのテキストを用いてたくさん勉強会をしました。入居者の暮らしの継続をサポートするという意識をもって、アセスメントから行うことで「入居者みんなバラバラで良いんだ、それが当たり前なんだ」と考え方を変えていけたように思います。自分らしく生活できる環境やサポートは、入居者の表情を大きく変えたことを実感しています。課題もまだまだたくさんありますが、これからも入居者一人一人がその人らしく生活できるようユニットケアに取り組んでいきたいと思います。