「ユニットケアに沿った食事とは」(特別養護老人ホーム望星荘 高原 明子)
2018年7月2日 更新
ユニットケアに沿った食事とはどのようなものでしょうか。
炊き立てのご飯やトーストの香ばしい匂いのするリビングで、起きた人から朝食を摂り、時にはユニットで入居者にも手伝って貰いながら目の前で調理したものを食べていただく。また、売店を含めた移動販売での買い物、出前や外食、ご家族が準備されたものを取り入れるなど施設で用意したもの以外にも楽しめる。
施設で暮らすことになっても、これらのことを諦める必要はないのです。
望星荘での給食に関する基本方針は「可能な限り入居前の食生活を継続しつつ食事が楽しみの一つとなるよう心がけます」となっています。
いろいろな場面でサポートを受けながらであっても、“最後まで自分らしく暮らす”手段の一つではないかと思っています。
「ユニットケアとの出会い」(特別養護老人ホームグレイスヴィルまいづる 仲井なるみ)
2018年6月1日 更新
グレイスに勤めはじめた頃、私は「特養の看護師は何を求められているのか?」と答えの出ない自問自答を繰り返していました。介護主任からは「ここは暮らしの場。看護師さんはユニットに入らないから分からないんじゃない。」と言われ、増々悩みが深くなりました。
そんな中、『看護師のためのユニットケア研修』を受講し、ユニットケアの理論を知り、私たち看護師も個別ケアチームの一員であり、入居者やご家族の想いに応えることに職種は関係ない、看護師だからと気負う必要はないのだと思いました。
あるとき、グレイスで亡くなられた入居者のご長男から「お世話になりました。父は我が家から我が家へ帰ります。」と言って頂いたことが私の心の支えになっています。あれから13年、今、私は看護師の役割を考えるのではなく、看護師も入居者の暮らしを支えるスタッフの一員であるユニットケアの魅力にとりつかれています。
「共に暮らし、共に考え、共に感動し、共に働く」(特別養護老人ホームグレイスヴィルまいづる 南陽子)
2018年6月1日 更新
14年前、夫の両親と同居することになり、このまちに引っ越してきた。そして、従来型の特養から、ここグレイスに勤務し初めてユニットケアに出会った。1歳だった末っ子は気づけば中学生。父は認知症で介護が必要な状態になり、グレイスに入居している。母は、そんな父の介護から少し距離を置き、大好きな畑仕事や友達とのおしゃべりの時間も持てるようになった。私の13年間は、日々の暮らしと仕事が共にあるという感じがしっくりくる。
グレイスでは、休耕田をお借りして、野菜づくりをしている。畑仕事の経験が全くなかった私だが、近所の方々の支えによって採れたての野菜を食卓で味わう喜びを知った。入居者と共に野菜の下ごしらえや、梅干し、漬物などの保存食づくりを行い、季節の移り変わりを実感する。一人ひとりが好きなものをいつでも味わえる、食を通して暮らしが豊かになれば嬉しい。
父は、生まれ育った地域の、居心地のよいわが家グレイスで、今日も笑って暮らしている。私は、家族として、スタッフとして、共に暮らすということを実感している。