関わる全ての人のその先を見据えて、共に歩んでいこう(特別養護老人ホームりんごの丘 𠮷尾 幸治)
2024年6月14日 更新
はじめまして、今年度より実地研修施設になりました福岡県福岡市にある特別養護老人ホームりんごの丘です、宜しくお願いします。
りんごの丘は、平成28年5月に開設しました。開設当初より実地研修施設を目標に取り組んできましたが、その過程の中でいろいろなことがありました。りんごの丘で働く職員はさまざまです。初めて福祉で働く人、他施設から来た人、思いや価値観も違います。そうした中でユニットケアを実践していくためには理念が大切だと痛感しました。理念を共有することで、何を大切にするべきなのか、そのためにはどういうケアが求められるのか、時間は長く経ちましたが、取り組んでいった結果、今回実地研修施設になることができました。
りんごの丘の入居者の中には、100歳近い方もいますし、若い方では70代の方もいます。高齢者だから一緒というわけではなく親子ぐらい歳の離れた方でも一緒に生活しています。それは時代背景の違いにも表れます。介護をするということは単にお世話係ではなく、その人を知ることだと思います。心や想いに寄り添える大変深く素敵な仕事だと思います。今まで長い人生を歩んで来られた方々が、りんごの丘で過ごす時間を自分らしく生活できるように、職員と一緒に大切にしていきたいと思います。
ユニットケアの理念でもある、「その人らしい暮らしの継続」ができるように、今後も職員と取り組んでいきます。
7月から研修生の受け入れをさせてもらいます。ユニットリーダーをはじめ職員も初めてのことなので緊張もするかと思いますが、良い事も失敗した事も経験してきた頼もしい職員ばかりです。研修生の方が何か一つでも自施設のヒントになるきっかけになればいいと思います。まだまだ課題もありますし、介護業界全体の課題もあります。未来介護のための準備も進めながら、職員・入居者・ご家族にとって、「りんごの丘があって良かった」と思ってもらえるように日々前進していきたいと思います
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介護の未来は、日本の明るい未来(特別養護老人ホームあんのん 施設長 吉田 貴宏)
2024年5月15日 更新
皆さん、こんにちは。愛知県名古屋市にあります社会福祉法人フラワー園 特別養護老人ホームあんのん施設長の吉田です。
突然ですが、皆さんは、自分の「生きる」意味を考えたことはありますか?あなたの「生きる」意味と私の「生きる」意味が違うように、おそらく、ひとが「生きる」意味は一人ひとり異なります。
当法人では【「生きる」を共につなぐ】という基本理念のもと、様々な取り組みを行っております。あくまでも法人はそれぞれの「生きる」をつなぐ存在にすぎず、主役は法人にかかわるご利用者、職員、地域住民です。
そして、特別養護老人ホームあんのんは、「住み慣れた地域で、これまでの暮らしを継続していただきたい」との想いから、平成20年に開設した入所定員20名の小規模な特別養護老人ホームです。
施設に入居をすると、これまで通りの暮らしは行えないと思われる方も多くいらっしゃいますが、特別養護老人ホームあんのんでは、入居者おひとりお一人の暮らしのリズムを【私の暮らし実現率シート】に落とし込み、施設に入居をしても「これまでの暮らし」を再現できる仕組みを設けています。
また、【私の暮らし実現率シート】は、「これまでの暮らし」の再現だけに特化したものではなく、介護の見える化、数値化をすることのできるツールです。誰が見ても、今何をすればよいのかが記載されている為、働く職員にとっては欠かすことのできないツールとなっています。
少子高齢化の加速する我が国において、「優秀な人材が良い介護を提供できる」「〇〇の施設に入居をすれば良い介護が受けられる」では、明るい介護の未来は望めません。年齢、性別、国籍を問わず、誰もが共通認識のもと、同じ介護を提供できるという再現性こそが、これからの介護の未来には必要不可欠です。
介護の未来は、日本の未来と言っても過言ではありません。ユニットケアが目指す「その人らしい暮らしの継続」を実現するために、【私の暮らし実現率シート】が明るい日本の未来の一助となれば幸いです。
『その人らしい暮らしの継続』特養に入居しても、地域の住民、社会の一員(銀杏庵穴生倶楽部 理事長兼施設長 権頭喜美惠)
2024年5月15日 更新
私は、社会福祉法人もやい聖友会の創設理事長であり『銀杏庵穴生倶楽部』の施設長をしています。介護事業をスタートするにあたって、「人として生きるとは」「人としての生活は」など自問自答の末、さまざまな思いが沸き起こり、その思いを実現するためにハード面、ソフト面だけでなく、入居者、家族、職員、地域の人といった人と人のつながる仕掛けづくりに力を注いできました。
法人の名前にある「もやい」の意味は、助け合う、分かち合うといった相互扶助の意味があります。そして、私たちは『おたがいさまで笑顔がいっぱい』を基本理念とし、医療、福祉、そして、まちが一体となった誰ひとりも孤立しない安全安心な次世代を育てられる多世代ごちゃ混ぜな地域共生社会を目指しています。これは、開設以前からの思いである「人と人との繋がりが社会課題を解決するんだ」「生まれ、生きる意味や目的は次の世代に繋ぐことだ」からつながっています。
特養も、人生の中のステージに合わせて移り住んできた家のひとつです。周囲には、家族だけでなく近所の人達、赤ちゃんやママ、子ども達、多世代の人達の声が耳に聞こえ、時には共に過ごすことも当然でしょう。そのため私たちは、赤ちゃんから高齢者まで地域の人と人をつなげるための、さまざまな取り組みや活動を行っています。
具体的な活動としては、施設内にFMラジオのスタジオを設置し、地域の個人や団体に番組をしていただいています。入居者や職員が担当している番組もあります。また、地域に開放されたコミュニティカフェでは、赤ちゃんや子ども連れのママや地域の人が訪れ、人と人の繋がる場となっており、入居者も、家族や友人と共にランチやティータイムを楽しむこともあります。施設内なので気軽に利用できます。カフェ以外にも貸出ルームがあり、ヨガなどカルチャースクールに参加する中高年や塾で学ぶ子ども達、まるで市民センターのように、さまざまな人達が施設にやって来ます。放課後は、子ども達の遊び場になっていて元気な声が響き渡ります。それらを含め『子ども食堂』『まち美化活動』『農業』等、地域活動には入居者も参加でき、本人の興味関心に沿った地域での社会生活や活動を継続することが可能となっています。また、月1開催のマルシェでは、地域住民、子ども達、出店者なども交流しています。最近では「赤ちゃん職員」の採用を行っており入居者を笑顔にしています。
これらさまざまな取り組みや活動は、決して強制ではなく入居者の選択肢を広げるといった意義があります。施設に入居しても『その人らしい暮らしの継続』をしていただくために、自己選択出来ることはとても大切なことです。これからも入居者の「地域住民」「社会の一員」としての生活を守っていきたいと考えています。
まだまだ課題は山ほどありますが、共に学んでいけたらと思います。どうかこれからもよろしくお願いいたします。