ささやかでも楽しんでほしい(特別養護老人ホームゆめみどり 横小路 みゆき)
2021年9月1日 更新
ご入居者の生活の中で、生きるためにも生活を豊かにするためにも「食」はとても重要だと思います。コロナ禍以前は、「食」を楽しむ機会はいろいろありました。ご家族と一緒に外食や買い物に行ったり、面会にいらしたご家族とお茶を飲んだりすることは、生きる糧の一つだったと思います。しかし今は、受診時以外には外出出来なくなってしまいました。
そんな中、ささやかな楽しみとなるようにと、移動売店を行っています。キャスター付きの机に食品や日用品などの商品を乗せて、ユニット毎に販売に行っています。自分で選んで買い物ができることが何より嬉しいと高い評価をいただいています。(と信じています。)最近では栄養士というより、売店の店員のイメージの方が定着し、「あれ、お買い物、次はいつ?」「○○はある?」などと話しかけられることも多くなりました。希望の品をリクエストされることも多く、紙に書いて渡してくれる方もいます。また、飽きないように手作りデザートやおかずを販売したり、桃やもろこしなど季節の商品を用意したりもしています。
楽しく買い物が出来、欲しいものが手に入る店。コンビニは無理だと思いますが、過疎地などに行く移動販売車を目指しています。でも本当は、移動売店の充実より、ご入居者が自由に買い物に、外食に行ける日常が来ることを何より願っています。
コロナ禍におけるレクリエーション実施に向けた取り組み(特別養護老人ホームみなみ風 田中 敦子)
2021年8月2日 更新
昨年からのコロナウィルス感染拡大により、みなみ風においても、施設内にウィルスを持ち込まないために感染対策を取りながら、ご利用者の以前と変わらない暮らしの継続に向けた支援を行ってきました。
しかし、感染対策の中でも、ご家族の面会や行事の中止、近隣でのお買い物の制限は、ご利用者の楽しみをなくしてしまうだけではなく、社会参加の機会がなくなってしまうことにもなると考えられました。実際、感染対策が取られるようになった当初は、ご家族に会えない寂しさからか、精神的に落ち着かない様子が見られるようになったご利用者もおられました。これらの状況をふまえ、レクリエーション委員会として多職種が連携し、『今、私達にできること』について考え、ユニットを出て参加してもらえるようなアイデアを出し合いました。実施するにあたり、当初はコロナウィルスに対する不安や心配がありましたが、職員が正しい知識を身に着け、しっかりとした感染対策をとることで、むやみに怖がる必要はないということがわかってからは、準備もスムーズに進むようになりました。
委員会として計画・実施したのは、お茶会、秋祭り、クリスマス会です。みなみ風の特養は8ユニットありますが、お茶会はひと月に1ユニットずつの実施とし、お茶会、クリスマス会と合わせると、ほぼ毎月、企画を行えるようにしました。どの企画も実施する際は、手洗い・うがい、体温測定、換気の他に、3密を避けるための移動方法や、参加時の人数調整をしっかり行いながら、会場設定や雰囲気づくりに力を入れました。ご利用者もおしゃれをして参加して下さり、毎回、楽しそうなご利用者の姿と、そこに寄り添う職員にもたくさんの笑顔がありました。
今後も更なる感染症の拡大があることが予測され、私達はそのたびに生活様式を変化させながら生きていかざるを得ません。介護施設に従事するものとしては、変化を受け入れることを厭わず、その時々で行えることを冷静に判断しながら、ご利用者の支えとなることが求められてきます。この機会をより良い経験とし、今後も柔軟な姿勢をもってご利用者に関わっていけるよう努めていきたいと思います。
ユニットケアは気持ちよく仕事ができる(特別養護老人ホームみなみ風 石井 政裕)
2021年8月2日 更新
私は介護職をして10年以上になるのですが、最初の介護のイメージは決まった時間に決まったことをしていくといったものでした。しかし、実際にやってみると入居者の気持ちが伝わり、こちらの都合でどうこうしようとすると自分自身が嫌な気持ちになっていきました。
様々な人の教えもありユニットケアを少しずつ理解していくことでその人が起きたい、お茶を飲みたい、部屋で過ごしたといった気持ちに合わせた支援が出来るようになっていきました。そうすると自分自身の気持ちも晴れてきて「いいもんだなあ」とやる気が出てくるのを感じました。
10名前後の入居者と固定した職員が同じユニットで過ごすわけですから、内面的な部分を理解しやすく何をしたいか、何をしたくないのかが少しの表情や仕草で感じ取れる関係を築けると思います。そうした中でその人が望む生活が見えてきて自分たちに出来ることも分かってきます。その人が望んでいることが分かり、その支援ができると入居者も職員も自然と和やかになり、過ごしやすい空間ができてきます。
「この人はこうしたいんだよなあ」「この人はこれが好きなんだよなあ」と思いながら支援をすると気分が良いもので、ユニットケアは、職員をそういった気持ちにさせてくれるものだと感じています。