ユニットリーダーになって失敗から得られたもの(介護老人保健施設 ぺあれんと 冨永 誠)

2021年3月1日 更新

著者ユニットリーダー 冨永 誠   (医療法人博愛会 介護老人保健施設ぺあれんと)

私がユニットリーダーになってから約7年が経ちます。この間に様々な取り組みを行ってきましたが初めは深く考えることなく、自分の思いばかりをスタッフに伝えていました。そのため理解が得られない状況となり、何度も心が折れそうになっていました。その失敗をきっかけに「どうしたら理解が得られるだろうか」と考え、私が初めに思い返したのが「誰のための取り組みなのか、自分のことしか考えていなかったのかもしれない」ということです。今までの伝え方はただの自己満足であり、大きな落とし穴にはまっていたことに気づきました。
そこで自分がもう一度原点に戻り「入居者さまの暮らしの継続」というユニットケアの理念を頭に叩き込み、落とし穴からの脱却を試みました。
また、研修での講師の助言にあった「何をするにもなぜそうするのかの根拠を伝えることが大切」という言葉を思い出し、取り組む内容の「根拠」を明確にしたうえでしっかりとユニットスタッフに伝えていきました。そうすることでスタッフの賛同も少しずつ得られるようなり、賛同が得られたら自分の考えを押し付けるのではなくスタッフの意見を引き出すことに専念し、最後に「みんなで考えたので是非、やってみましょう」という言葉で締めました。これが結構、効果的でした。
今でも諦めず、失敗した時は、理念、根拠、意見を聞く、そして成果を皆で喜ぶということを思い出して頑張っています。

馴染みある住まいでの看取りを(介護老人保健施設 ぺあれんと 小松 勝子)

2021年3月1日 更新

新型コロナウイルスが猛威を振るい、医療現場が緊迫や疲弊している中、当施設も、生活の場での感染予防に細心の注意を払いながらご支援させて頂いています。
そんな中、ご夫婦で入居されているAさまから当施設での看取りのご希望がありました 。90歳代の男性で、徐々に食事が食べられなくなって体重が減りましたが、お亡くなりになる寸前まで、歩行器でいつものようにリビングの定位置で、テレビの前のご自分の椅子に座り、ゆっくりご自分の時間を過ごされました。認知症はありましたが、ご自分の人生の終焉を最期まで穏やかに、その方のお人柄の様に静かに穏やかに息を引き取られました。本当に安らかなお顔でした。
この方のケアで、大切にしてきたことは、お元気な時のご本人の意思を尊重し「延命治療はせず、住み慣れたぺあれんとで、馴染みの職員に囲まれて、自然に看取りたい」というご家族の想いです。ご家族とスタッフと多職種と共に何度も話し合いを持ち、残された時間をどう過ごされることが良いのか考え、ご夫婦が共にお過ごしになる時間を大切にしました。隣ユニットにご入居の奥様は、重度の身体ケアが必要でコミュニケーションも困難で、いつも無言の面会ですが、しっかり手を握りあって目と目で心を交わされる様子が、今でも心に残っています。コロナ禍でしたが、面会は、娘様ご家族が施設内感染に気を配って下さり遠慮がちでしたが、感染防止対策を行いながら居室で一緒に過ごして頂きました。偲びのカンファレンスでは、「ぺあれんとで良かった」とお言葉を頂きました。
入居者さまの最期に立ち会わさせて頂くことは、多くの学びがあり、職員の看護観・介護観を育み、やりがいにもつながります。多死の時代、今後も個別ケアの充実した当施設でのエイジングインプレイスを実践し、入居者さま、ご家族の思いに寄り添っていきたいと思います。

入職してから思うこと(特別養護老人ホームゆうらく 吹野 美奈)

2021年2月1日 更新

私がゆうらくに入職し14年。当時はユニットケアという言葉も解らず、「95名の方に1人でどのようにリハビリをしたらよいのか」という悩みからのスタートでした。

関節可動域訓練や立位訓練を実施していた時期もありましたが、どれだけやっても一人では無理で、拘縮が進んだり、身体機能が低下してしまう人が多い現状がありました。

その後試行錯誤して今、言えることは「一人の力では何もできず、24時間サポートしているユニットスタッフと協力することで身体機能の維持・向上に繋げることができる」ということです。24時間365日の生活の中で、移乗、座位姿勢、排泄、入浴、睡眠などは必ずあることで、介助の仕方によってはその方の身体の緊張を亢進させ、拘縮を作ったり、褥瘡や意欲の低下などの二次障害を引き起こしてしまう原因にとなってしまいます。だからこそ、障害部位に対するリハビリではなく、福祉用具を使ってその方に合った入浴・排泄・移乗などの介助方法や座位・臥位のポジショニングの提案や指導を主に行っています。それによる効果はあり、そういった成功体験がユニットスタッフのモチベーションにも繋がっていると感じています。また、それ以外の関わり方としては、特養は“終の棲家”であるため、最期を迎えるその時まで一緒に笑って穏やかに生活していただけるように、その方の想いや過去の経験に繋がるような楽しみのある活動が出来ればと思います。これからも入居者様一人ひとりの暮らしが豊かになり「ゆうらくでよかった」と思ってもらえるよう、ユニットスタッフ、各専門職とともに考え取り組んでいきます。

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