失敗の先に見えた本質(ラ・ポール有田 施設長)

2025年5月15日 更新施設長

著者施設長 川上 真也   (特別養護老人ホーム ラ・ポール有田)

 社会福祉法人実寿穂会は、『実る寿の穂』と書いて、それを法人の名称としています。青い稲穂は子供たち。太陽を浴びて、すくすくと成長してほしいという願い。そして高齢者にあっては金色に輝く実を実らせ、良い人生だったと周りの人と一緒に、それを寿い(ことほい)でほしいという願いが込められています。法人の本部は長崎県長崎市にあり、社会福祉法人として昭和50年から保育事業、高齢者事業を展開し、平成27年3月に特別養護老人ホームラ・ポール有田を開設しました。

 私は、当時介護長という役職で、ユニットリーダーと一緒にユニットケアを形にするという目標を掲げ、取り組んでいました。しかし、当時の職員からは、「ユニットケアなんてできない」と一斉一律のケアから脱却できず、結局は職員の都合のケアで入居者の生活が画一的になってしまっていました。「開設5年で実地研修施設に合格する!」という大きな使命が私の心に重くのしかかり、ユニットケア推進委員会を立ち上げ、居室のしつらえ、ユニット内のしつらえ24シートの改善に、猛スピードで取り組んでいきました。その結果、私は、ユニットリーダーと一緒に取り組んでいたつもりでしたが、実際は、当時のリーダーたちにプレッシャーを与え、急がせ、自主性を奪い、やらされているという気持ちを強くさせてしまいました。リーダーたちがどんどん疲弊していく姿を目の当たりにし、本来の介護のやりがいや入居者本位のケアになっていないのではないか?と進め方を間違っていたと気づかされ、反省をしました。

 そこで、今回、実地研修施設を受けるにあたっては、リーダーたちの自主性を大切に、もう一度、理念に立ち戻り、「何のためにユニットケアをやっていくのか?」「実地研修施設に合格することが目的ではなく、理念を具現化し達成することが、入居者のより良い暮らしにつながる。」ことを再確認し、暮らしの基盤を作るため、再度、ユニットケアの考え方を職員と共有することから始めました。
 どうしたら「その人らしい暮らし」に繋がるのか、入居者1人ひとりに向き合いながら今を取り組んでいます。地域のユニットケアの模範施設として恥じない施設作りをしていきたいと思います。

 

  

 

将来を見据えて(特別養護老人ホームせんりょう万両)

2025年2月14日 更新施設長

特別養護老人ホームせんりょう万両の松岡です。
せんりょう万両は、平成30年のオープン当初から「いつかは実地研修施設になる」ということを目標に掲げて、ユニットケアに取り組み続けてきました。
振り返ってみれば、そのころのせんりょう万両のユニットケアはまだまだ “ユニットケア”の形を意識しただけのものになっていたのかもしれません。当初から理念塾で理念を伝え続け、24シートを運用していましたが、どのユニットも設えは同じで変わり映えしない“施設”となっていたように思います。
令和5年に改めてセンターからの指導を受ける機会をいただき、施設全体でユニットケアについて学び直しました。
まずは見た目からということで、理念を具体化する形で、「入居者の暮らしの場に必要なものがユニットにあり、暮らしの場にふさわしくないもの(職員視点のもの)は出しっぱなしにしない設え」を徹底しました。小さな改善をコツコツと繰り返し、4つのスペース(プライベート・セミプライベート・セミパブリック・パブリック)を意識した設えが少しずつ変わっていきました。 その過程において、せんりょう万両が、どんどん“施設”でなく“住まい”らしく変化していく様子を実感できました。また、面会に来られるご家族や見学にこられる地域の方からも「家みたいですね」と最高の誉め言葉をいただくことも増えてきました。
まだまだ実地研修施設として駆け出したばかりのせんりょう万両ですが、これから受け入れるたくさんの研修生の皆さんと意見交換しながら、さらに成熟したせんりょう万両に成長していきたいと思います。
将来、せんりょう万両が地域で信頼される「住まい」として認識してもらえるようになると最高だと思いますし、この地域に「住まい」と思えるような高齢者施設がたくさん増えていくことを願ってやみません。
そんな将来を夢見て、これからもユニットケアやその推進に取り組んでいきたいと思います。せんりょう万両に実地研修に来ていただく皆さんとそんな将来の話ができることを楽しみにしています。

 

愛生会の「介護の価値」(特別養護老人ホームケアホームおおゆ「ユニット」)

2025年1月15日 更新施設長

社会福祉法人愛生会は昭和61年保育所から始まりました。秋田県鹿角市大湯地域は温泉郷で国立公園の十和田湖や八幡平に囲まれシーズンによって賑わいが変化する町です。そんな大湯地域にも少子化の波はかなり早く訪れ、2020年度で2園あった保育所の内1園が閉園。2024年度末に、もう1園が閉園となります。そうなると小学校がなくなり住む人が減りと先が思いやられます。今でも職員は自然減少し、求人を出してもなかなか応募がない状況です。

そんな中、2022年職員から実地研修施設を目指したいとの声があがりました。法人としても職員からの一声は大きく、やるからには合格を目指そうと本格的に取り組みを始めました。当時ご指導いただいた講師からは「合格は難しいがやる気だけはあるな」と言っていただき、従来型が個室になったような造りの建物も講師からのアドバイスと法人の投資により変化し、更に職員の頑張りも加わりなんとか今日に至ります。

これを機に、入居者・ご家族だけでなく在宅サービスの利用者・求職者等からも選ばれる施設とならなければならないと理事長発案により、2024年度初めに愛生会の「介護の価値」を高める3大取り組み事項が発表され、その中にもちろんユニットケアの推進もありました。

そこで、ユニットケアの推進の目標を下記の3つに決めました。

①入居者の皆様にユニットケアの良さを実感していただき、それをご家族と共有することで、地域にケアホームのユニットケアを宣伝する。

②実習生に1つでも参考になったと言っていただけるよう努力する。

③法人内の他の事業所にも良い影響を与える。

そしてこれらすべての取り組みをバックアップしてくれているのがSNS広報担当で、働く仲間を増やすべく日々SNSに投稿してくれています。

ユニットケアの取り組みを始めて職員に笑顔が増えました。理念にある「入居者を笑顔にするためにまずは自分たちが笑顔に」が実践でき、確実に「介護の価値」を高められていると感じております。引き続きユニットケアを推進して参ります。

 

 

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