『その人らしい暮らしの継続』特養に入居しても、地域の住民、社会の一員(銀杏庵穴生倶楽部 理事長兼施設長 権頭喜美惠)

2024年5月15日 更新施設長

著者理事長 兼 施設長 権頭 喜美惠   (社会福祉法人もやい聖友会  銀杏庵 穴生倶楽部)

私は、社会福祉法人もやい聖友会の創設理事長であり『銀杏庵穴生倶楽部』の施設長をしています。介護事業をスタートするにあたって、「人として生きるとは」「人としての生活は」など自問自答の末、さまざまな思いが沸き起こり、その思いを実現するためにハード面、ソフト面だけでなく、入居者、家族、職員、地域の人といった人と人のつながる仕掛けづくりに力を注いできました。
法人の名前にある「もやい」の意味は、助け合う、分かち合うといった相互扶助の意味があります。そして、私たちは『おたがいさまで笑顔がいっぱい』を基本理念とし、医療、福祉、そして、まちが一体となった誰ひとりも孤立しない安全安心な次世代を育てられる多世代ごちゃ混ぜな地域共生社会を目指しています。これは、開設以前からの思いである「人と人との繋がりが社会課題を解決するんだ」「生まれ、生きる意味や目的は次の世代に繋ぐことだ」からつながっています。
特養も、人生の中のステージに合わせて移り住んできた家のひとつです。周囲には、家族だけでなく近所の人達、赤ちゃんやママ、子ども達、多世代の人達の声が耳に聞こえ、時には共に過ごすことも当然でしょう。そのため私たちは、赤ちゃんから高齢者まで地域の人と人をつなげるための、さまざまな取り組みや活動を行っています。
具体的な活動としては、施設内にFMラジオのスタジオを設置し、地域の個人や団体に番組をしていただいています。入居者や職員が担当している番組もあります。また、地域に開放されたコミュニティカフェでは、赤ちゃんや子ども連れのママや地域の人が訪れ、人と人の繋がる場となっており、入居者も、家族や友人と共にランチやティータイムを楽しむこともあります。施設内なので気軽に利用できます。カフェ以外にも貸出ルームがあり、ヨガなどカルチャースクールに参加する中高年や塾で学ぶ子ども達、まるで市民センターのように、さまざまな人達が施設にやって来ます。放課後は、子ども達の遊び場になっていて元気な声が響き渡ります。それらを含め『子ども食堂』『まち美化活動』『農業』等、地域活動には入居者も参加でき、本人の興味関心に沿った地域での社会生活や活動を継続することが可能となっています。また、月1開催のマルシェでは、地域住民、子ども達、出店者なども交流しています。最近では「赤ちゃん職員」の採用を行っており入居者を笑顔にしています。
これらさまざまな取り組みや活動は、決して強制ではなく入居者の選択肢を広げるといった意義があります。施設に入居しても『その人らしい暮らしの継続』をしていただくために、自己選択出来ることはとても大切なことです。これからも入居者の「地域住民」「社会の一員」としての生活を守っていきたいと考えています。
まだまだ課題は山ほどありますが、共に学んでいけたらと思います。どうかこれからもよろしくお願いいたします。

 

『「終の棲家」を「我が家」にする』とは…(域密着型特別養護老人ホーム光陽の杜 小牧 ひろみ)

2024年4月19日 更新施設長

「光陽の杜」は鹿児島県姶良市に平成29年4月、地域密着型特別養護老人ホームとしてスタートいたしました。事業計画、建物設計の段階から「ユニットケアの実践」を見据え準備を進めて参りました。
当施設のユニット名は「地域密着型」である特色を活かし、地域の名称を使い○○1丁目~3丁目と命名しています。コロナ禍以前には地域で開催される行事への参加や地域ボランティアの方の活動受入、同敷地内にあります当法人運営の認定こども園の園児たちとの交流なども行っておりました。コロナが5類へ移行されたことを受け、今後はまたそれらの活動を再開して参ります。
開設から6年、『「終の棲家」を「我が家」にする』という理念のもと、我々の目指すユニットケアを実践して参りました。そして昨年一年間は、「実地研修施設」を目指しスタッフ全員で改めて「ユニットケア」について学び、これまでのケアや取り組み、入居者への向き合い方、入居者を取り囲む環境などを見返してみました。そしてこの度「ユニットケア実地研修施設」の指定を受けることができました。
さて、いざ!研修施設の認定!を受けてからというもの、既に私は大いなる緊張感と責任感で身の引き締まる思いでおります。おそらく受け入れ担当者含め他の職員たちも同様でしょう。
医療畑からきた私にとりまして、介護の世界は初めて飛び込んだ場所であり、戸惑うこと、迷うこと、悩むこと、日々、何かが起こります。これまでには何度も看取りという貴重な経験もさせて頂きました。人生の最期をどこで迎えるか?迎えたいか?どのように迎えたいか?入居者・ご本人の意思?ご家族の希望?…都度、考えさせられます。そしてそのたびに、我々に出来ることは何か?入居者が何を望まれているのか?どのようにコミュニケーションを取っていけばいいのか?そこから何を学び、この先にどのように活かしていくのか?職員と共に悩み、考えていくことは尽きませんが、理念である「我が家」を追求し、入居者が日々、穏やかに、その方らしく、その方のペースで、暮らすことができますようユニットケアを実践して参ります。

『施設』ではなく、『お家』を… 暮らす場所として(特別養護老人ホーム 結いの郷 理事長 安田 篤)

2023年10月2日 更新施設長

著者理事長 兼 施設長 安田 篤   (社会福祉法人悠 特別養護老人ホーム結いの郷)

はじめまして。愛知県丹羽郡扶桑町にある地域密着型特別養護老人ホーム結いの郷の安田と申します。
今年度より実地研修施設の仲間入りということもあり、身の引き締まる想いです。
平成24年より木造平屋建ての地域密着型特別養護老人ホームとして運営しております。
建築のコンセプトとして、『施設』ではなく、『お家』を。
人が人として当たり前に暮らせるように。いつまでの馴染みの地域で住み続けたい。いつまでも家族と関わり、本人らしく過ごしたい。
そんな想いをカタチにしたく、木造の平屋建て、また3つのユニットを分棟して『お家』を造りました。
廊下には畳を敷くことで、和風な日本家屋をイメージし、裸足で歩かれるお年寄りもいらっしゃいます。
施設や病院で入居者が靴を脱ぐことは少なく、靴を脱いで裸足で過ごすことができる環境も特色の一つと言えます。
地域密着型の大きな利点は、ご家族も近隣の地域に住まれており、来訪も非常に多い、加えて馴染みの地域だからこそ参加もしやすく、入居者ひとり一人の暮らしを継続できる場として存在して いることがあります。
2020年より新型コロナまん延に伴い、家族や地域と関わる機会が減っていき、社会から切り離された生活を送るお年寄り。その姿を見て、果たして自分たちは何を大切にやってきたのか?コロナを理由に人としての尊厳を守れているのだろうか?様々な疑問が湧いてきます。
ユニットケアに対する理解の浅さ、理念の浸透の薄さ、課題を抽出し、もう一度『施設』ではなく、『お家』を造った意味を考え、動き出すキッカケとなったのが、実地研修施設を目指すことでした。

一つ一つの体系整理が、日々を疑問に感じていた職員にとって、解決の糸口となりました。お年寄りの笑顔が増え、お年寄りとの会話が増えることで、この環境を活かす意味、目的を職員皆で共有出来ました。
少しでも笑顔と笑い声の多い『お家』(ユニット)にどうぞお越しください。

 

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