新しい時代へのプラス思考(ユニット型特別養護老人ホーム 絆の広場 池 裕子)

2021年10月1日 更新施設長

9月初め、ある若いミュージシャンのライブ観戦に行って来ました。とは言っても今までにないコロナ禍での新しいスタイルの生配信ライブです。斬新で、芝一面の大きなスタジアムには無観客でピアノ1台と本人のみ。無料で誰でも視聴出来る“Free”な1時間のライブは17万人越えの同時視聴となり、多くの人々に優しさと感動を与えたとても素敵なライブでした。私は未だ感動冷めやらぬ状態です。前例のないライブ開催は、いろいろな思いが込められており、本人だけでなく周りに同じ思いのたくさんの人たちがいて、ひとつの実現(目標)に向けて、それぞれの専門分野からの挑戦でもあったかと思います。

情勢変化に伴う、私たち介護施設の新しいスタイルは何か?今その人に何が出来るのかを考えた時、ユニットケアの基本方針と施設理念を思い浮かべてみました。それは決して難しいことではなく、日々取組んでいることにコロナ禍が重なっただけのことではないでしょうか。変えるのではなく、それに合わせてどうするかをプラスすればいいのだと思うと、少し気持ちが楽になりました。

今はまだ不安や我慢の日々ですが、明けない朝はない。プラス思考で新しい時代のユニットケアに挑戦しようと思わせてくれた素敵な出来事でした。

追記、当日ライブのアーカイブが残されています。気になる方はぜひ、その優しさに触れて見てください。きっと気持ちが温かくなりますよ。

コロナ禍で見い出せた価値(特別養護老人ホーム美里ヒルズ 世古口 正臣)

2021年8月2日 更新施設長

2020年1月15日、日本における新型コロナウイルス感染症の第1例目が確認されたのを機に、その後入居者の皆さんをはじめ、私達の生活は一変、2月25日からは、ご家族の面会制限、それ以降の研修やイベント等がすべて中止や延期になり、何もできないまま、いつまで続くのかわからない不安と戦う毎日でした。

それでも、3月に入ると就職説明会がオンラインで開催されることになったのを機に、施設としても感染対策を徹底することだけでなく、入居者の暮らしを少しでも維持できるよう、対策しながら形を変えて続けることができるか、新たにチャレンジできそうなことはないか、並行して検討していくことになりました。

その後、4月3日からオンライン面会・窓越し面会を施設でスタートさせたり、施設内研修を事前録画のオンデマンド研修に切り替えたり、法人の会議もリモートで開催したりと、少しずつではありましたが、コロナ禍でもできることから始めてまいりました。オンライン面会を実際にやってみて気がついたことは、今まで遠方にお住まいでなかなか会えずにいたご家族とも、気軽にコミュニケーションがとれる機会になったことです。つまり、これまで通りの面会が可能になったとしても、遠方や国外に居住しているご家族とは会えないのは変わりませんが、オンラインなら気軽につながることができる。これは、コロナ禍で生まれた素晴らしい変化だと思います。

8月頃には社外の会議はリモートで参加、外部研修もオンラインで参加できるものが増えるにつれ、夕方から夜にかけてのオンラインの勉強会の案内が急激に増えてきたように感じました。私自身は三重県の住まいでありますので、それまで都市部で開催される有名講師の研修会等があっても、そう頻繁に参加することはできませんでした。また、社外の会議に出席するためだけの出張が増えてくると、移動時間が増えるとともに現場を離れる時間も増えてしまうことを危惧していました。このコロナ禍では、会議も研修もオンラインでの参加が当たり前になりました。そのおかげで、様々な学びの機会が身近になったこと、そして移動時間のロスが無くなったことは、非常にありがたい変化です。

12月に入ると、施設ではリモートショッピングが始まりました。買い物に出掛けた先の職員のスマートフォンと施設のタブレットを中継で繋ぎ、ユニットにいらっしゃる入居者さんが商品を見て選んで買い物ができるという取り組みです。今では恒例行事になり、月に2度は洋菓子店と和菓子店にご協力いただき、リモートショッピングが開催されています。これまで買い物といえば、出掛けたい意向のある入居者さんへの個別の支援でしかなかったのですが、こういった機会が新たにできたことで、出掛けるのは疲れるから嫌だけど買い物はしたいという方のご意向にも添えることができるようになりました。

1月には、リモート初詣が企画されました。リモートショッピングの要領で、施設の地元の神社へ参拝に行った職員と施設をつなぎ、さらにプロジェクターで大型スクリーンに映して皆さんで参拝の様子を楽しみました。地元の神社というのは、本堂まで約170段の階段を登って参拝する難所、これまでは実際にお出掛けしても、階段の下の鳥居の前で参拝して帰るのが恒例でした。これがリモートになり、毎年お出掛けしていた入居者の皆さんであっても、階段を登って本堂で参拝する光景を目にしたのは何十年かぶりでした。また別の日には、お七夜さんという地元の大きなお寺のお参りにリモートで参加していただきました。こちらも初詣と同様、本堂の中に入るには急な階段や高い段差もあり、外から中の様子をうかがって皆でお参りするのが毎年の恒例でしたが、今回は皆さんに本堂の中の様子をご覧いただき、懐かしむ声をお聞きすることができました。また、入居者の皆さんからはお寺の庭園の様子を見たい、納骨堂まで行ってほしい、お寺の周りの町並みも見たいとたくさんリクエストがあり、今まで出掛けたとしても中に入るのを諦めていた皆さんや、出掛けるのをためらっていらっしゃった方にとって、これまでにない機会となりました。

これまでの約1年半、コロナ禍においては我慢ばかりの生活で、皆が息苦しい毎日を過ごしてきました。そんな中、きっかけは感染対策のひと工夫だったけれど、実際にやってみるとコロナ禍だけの取り組みで終わらせるには勿体ない、むしろコロナ前からあって然るべきだったなと思えることが多くありました。

コロナで多くの失ったものに対して目が向きがちでしたが、一方では価値ある気づきがたくさんありました。そういう風に考えることができるようになったことで、またいろんなアイデアが浮かんできます。もちろん、うまくいかないこともありますが、何事もトライアンドエラー、とりあえすやってみよう精神でこれからも頑張っていこうと思います。

新しい時代を迎えて(特別養護老人ホーム グレイスヴィルまいづる 淡路 由紀子)

2021年4月1日 更新施設長

2020年度は、COVID-19に出鼻をくじかれ、正直なところ、関西弁で言うなら「さっぱりわやや」という気分でした。まさかの事態で、何もかも準備不足でしたが、面会制限を始めてすぐ、とにかく新たにタブレットを用意し、LINEのビデオ通話による面会を始めました。そのうち入居者のお写真を送信するようになり、やがてご家族の方から入居者だけでなくスタッフあてにメッセージが届くようになりました。今やLINEは、ご家族とのコミュニケーションに欠かせないものになりました。私は、ご家族と楽しそうにメッセージをやりとりしてるスタッフの姿をみながら、特別養護老人ホームの「サービス」とは何か、入居者やご家族にとっての「サービスの価値」はどのようにすれば高めることが出来るのか、スタッフの幸せとは何か、どんなふうにすればそれが実現するのかなどを改めて考えさせられました。とりあえずやってみる、やりながらどんどん改善していく、そのうち思っていたのとは違うけれども、うれしいサプライズとなって実を結ぶものだと思いました。COVID-19がなければ、気がつかなかったかもしれません。
さて、2021年度がはじまりました。COVID-19の脅威は未だ予断を許さない状況です。けれど、2021年はCOVID-19によって、期せずして新しい価値観、ニューノーマルがもたらされた、新しい時代の始まりです。新しい時代は、これまでのシステムやオペレーションを見直す大きなチャンスです。古い衣はこの際思い切って脱いでしまって、気持ちもあらたに、入居者に寄り添い、受けとめ、一人ずつと向き合うサービスを進めていきたい、満開の桜を見ながらそんなことを思っています。

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