思いを形に(特別養護老人ホームグリーンハウス 名迫 千賀子)

2022年6月1日 更新指導者

私は、昨年の6月までの7年間、ユニットリーダーをしていました。今思えば、リーダーになりたての頃は、知識も少なく、ただ自分の思いだけで突っ走ることもありました。私はこう思うから、これはこうだからと指示を出す、まるでお山の大将の様なことを行っていました。その後、リーダー研修を受講する中で、自分の考え方が変化していきました。私たちはチームで入居者のケアを行います。それなのに、自分本位の考え方のみでは、小さな情報しか得ることが出来ず、職員のモチベーションも上がりません。リーダーシップとは何か、マネジメントとは何かを理解できていなかったと痛感しました。それからは自分の考えをいう前に職員の話を聞くようにしていきました。そうすることを続けることで、ミーティングでの職員の発言も増え、みんなで入居者を支えているんだというチームワークが生まれてきたように思います。
 その中で、特にチームワークを意識する事例がありました。ユニットにパーキンソン病の男性が新しく入居されてきました。その方を知る為に、意向や好み、1日の生活リズムをユニット職員で探っていると、お部屋で釣り番組をよく見ておられることに気づきました。何曜日の何時から、どこのチャンネルで釣り番組があるかを把握しておられ、いつも熱心に見ておられました。ご本人やご家族からお話をお聞きすると、釣りが好きでよく近くの海に釣りをしにいかれていたそうです。「今はもうこんな体だから、それに施設に入ったから、釣りはもう無理だな。」と諦めておられました。それでも、大好きな釣りを、せめてテレビでと毎週かかさず見ておられる姿を見ていると、何とか釣りに行くことが出来ないかと考えるようになりました。そんな時、施設長とお話をする機会があり、その方のお話をすると、「釣りにいけばいいよ。ただどうしたら安全にできるか、そこはしっかりと計画をたてなさい。」とお言葉を頂きました。
 自施設の理念は『自分らしく、その人らしく』です。たとえ施設に入居しても、自分の好きなことをあきらめずに実現できる、なんて素敵なことだろうと思いました。そこからは実現に向けて細かく計画を立てました。釣りに詳しい先輩職員に協力をしてもらって準備を行い、看護師には早朝に起きて釣りに行くのに差し障りのないバイタル等を確認し、ご家族への了解も得ました。当日は、その先輩職員や施設長も協力してくださり、朝早く近くの海に釣りに行きました。とても嬉しそうに竿を操り、釣りをしているその方を見て、実現できて本当に良かったと思いました。その日は大量のイワシが釣れました。施設に戻り、管理栄養士にも協力していただき、つみれ汁にしてみんなで食べました。その方は、現在はもう施設におられませんが、あの時の笑顔は今でも忘れられません。入居者の思いを主軸に、チームでできることを考え、連携をとれたからこそ実現できたと思います。
 現在はリーダー業務を離れ、副統括主任になりましたが、その頃の自分を忘れず、どんな時でも、どんな方でも自分らしく、その人らしく、思いを形にできる様、これからも頑張っていきたいと思います。

ユニットリーダーとして(特別養護老人ホームグリーンハウス 安井 涼)

2022年6月1日 更新

僕が、グリーンハウスで働き始めて6年、ユニットリーダーに就任して2年が経ちます。始めの頃は何もわからず、ただ今やっている事を続ければいい、言われた事をすればいいと思っていました。ですが、ユニットケアを行っていく中で、入居者の望む暮らしをチームで支えていく重要性を知りました。更に、ユニットリーダーに就任すると、チームの要として、率先して行動する事や続ける事、職員・他部署との信頼関係を作ることの重要性や大変さを知り、自身の知識も足りないと感じる事や、ユニットリーダーになってからも更に勉強する事もありました。
 ユニットリーダーに就任して直ぐの時に、ユニット職員は入居者の事を思って一生懸命勤務を行っているが、ケアの統一が十分に出来ていない部分があったり、また他部署や入居者のご家族に説明をする際に、僕がしっかり説明することが出来ない事や、僕よりもユニット職員の方が入居者の事を知っている事があったりしました。僕がユニットリーダーとしてしっかりと把握・まとめきれていない事や、ユニット職員が一生懸命勤務を行っている事を、他部署や入居者のご家族に伝えられない事をとても恥ずかしく、悔しく思い、そこから考えを改めなおしました。もう一度ユニットケアについてや、入居者の事をもっと知っていこう、色んな人の意見を聞いていこうと思いました。今でも、入居者の日々変わる状態や、ユニット職員が思う事、ご家族が思う事、他部署が思う事をまとめる難しさを痛感しながら勤務を行っていますが、自分だけで行動をしていないか意識しながら、入居者・ご家族・ユニット職員・他部署とよく相談し、チーム全員でケアを行い、達成感を皆で分かち合える様なユニット環境を作っていこうと日々の勤務に励んでいます。その甲斐あってか、2年が経ち、チームとしてまとまってきたと思います。
 僕が今もユニットリーダーとして働いているのは、尊敬する先輩方や熱意のあるユニット職員、そして相談できるご家族、支えてくれる他部署の方々の存在が大きく、自分一人では続けることが出来なかったと思います。なので、入居者の暮らしを支え、チームを引っ張っていく尊敬できる素敵なユニットリーダーになれる様に、これからも日々頑張りたいと思います。

やってよかった(特別養護老人ホーム松籟荘 吉家 雅史)

2022年5月2日 更新

著者ユニットリーダー 吉家 雅史   (社会福祉法人愛正会 特別養護老人ホーム松籟荘)

コロナウイルスの蔓延による感染症対策の中で、入居者には普段の暮らしにおいて制限が出てしまいます。そんな制限な中で何が一番入居者にとって辛いのかというと『ご家族と近くで会えない』ことです。また、 ご家族にとっても同様で、普段のご様子が見えにくいと不安に思う方も少なくありません。このような状況を何とかしようと松籟荘としても工夫を行い取り組んでいますが、ユニットリーダーとして、もっと入居者のご様子を伝えていく手段はないかと考え、【ユニット通信】というものをご家族宛に送ることにしました。ユニット通信の内容は、普段の入居者のご様子や余暇活動などを、写真と文章でお伝えしていきます。私は文章を書くのがとても苦手で、「失礼があってはいけない…」と考えすぎてしま い、なかなか書くことができませんでした。締切が迫る中「本当にできるのだろうか…」と不安ばかりが募りました。そんな時、ユニット職員や多職種の方が声をかけてくれ、協力しながらユニット通信を完成することができました。あるご家族からは、「お母さんは普段こんなこともしているんですね。写真も載っているからすごくわかりやすいです。いつも ありがとうございます」というお言葉をいただきました。この言葉を聞いた時に、「やってよかった」と思えることができました。同時に、これからも継続していこうと強く想いました。 私は、今回の取り組みで改めて多職種連携の大切さを実感しました。ケアだけではなく、あらゆる場面においても連携は必要だと。そして一人では難しいことも仲間がいれば達成できることを感じました。これからも、仲間と協力し、どんな状況であっても、入居者にとって暮らしを継続していただけるよう取り組んでいきたいと思います。そして、ご家族との更 なる信頼関係が築けるよう、試行錯誤しながら取り組んでいきたいと思います。

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